結婚式にお呼ばれされたとき、「ボレロなどの羽織物を用意する」というのは季節を問わず意識しておきたい基本マナーです。
しかし、ボレロの選び方は意外と難しいもの。
同じドレスを着ていても、ボレロが変わるだけで周囲に与える印象は大きく変わります。
そこで今回はボレロの基本と、女性が結婚式やパーティーに参加する際のボレロ選びのポイントを紹介します。
目次
ボレロとは?ボレロの基本
ボレロとは、ワンピースやドレス上に重ね着する羽織物の1つ。丈がウエストよりも短く、前が開いているものを指します。
ボレロは女性もののトップスとして知られていますが、スペインで有名な闘牛士が着ているものも実はボレロです。
スペインの民族舞踏曲ボレロの踊り子が着用していた上着が、元になっていると言われます。
ボレロは、防寒具としての役割も担っています。
冬場の結婚式はもちろん、夏場でも空調で室内が寒いことがあるため、ボレロは体を冷やさないための必須アイテムと言えるでしょう。
また、日本では、「昼間の結婚式では露出の多いドレスは避けるべき」というマナーがあります。
ドレスの中には肩や背中が空いているデザインもありますが、夕方や夜のパーティーでないのなら適した格好とは言えないでしょう。
ボレロなどの羽織物を着用すれば肩や二の腕を隠すことができるため、「露出の多いドレスしか持っていない」という場合にも重宝します。
ボレロとジャケットやカーディガンとの違いは?
先ほどボレロの特徴として「丈がウエストよりも短く、前が開いているもの」と説明しましたが、ジャケットやカーディガンにも前留めがなかったり丈が短かったりと似たようなデザインのものがありますよね。
素材感や印象からボレロかどうか判別することもできますが、確実なルールはないので厳密な違いを定義するのは難しいでしょう。
強いていうのであれば、ジャケットはスーツにもあわせることからよりフォーマルな印象、カーディガンはカジュアルな雰囲気になることが特徴です。
また、ドレスにあわせるものはボレロだけでなくジャケットやカーディガンでも基本的にはマナー違反にはなりません。
ただし、パーティーの雰囲気によってはフォーマルすぎたりカジュアルすぎたりする服装は浮いてしまうかもしれません。どんなパーティーなのかも踏まえてファッションを決めましょう。
ドレスにボレロを合わせるメリット
ボレロを着用する最大のメリットは、やはり肌の露出を抑えフォーマル感や上品さを演出できることでしょう。あわせて体温管理もしやすくなり、式場の気温にあわせて着脱しながら最適な状態を保てるでしょう。
そう聞くと「露出の少ないドレスを着るときや寒さが気にならないときには、ボレロがなくてもいいの?」と思うかもしれません。
しかしボレロをあわせることには、ほかにもさまざまなメリットがあるんです。
華やかなトータルコーディネートが実現できる
袖付きドレスなど肌が出にくいデザインの場合には、それ一枚でも確かに問題ありませんが、ボレロを合わせることによって同じドレスでも印象を変えられるのは大きな魅力と言えるでしょう。
トータルコーディネートを叶えられるため、ドレスが暗い色の場合にはボレロを明るいカラーにすれば、印象もぐっと華やかになります。
ボレロと靴やバッグのカラーをあわせたり、アクセサリーとのバランスを考えたりと、工夫次第で抜け感のあるコーディネートも実現できるでしょう。
特に結婚式では「花嫁さんよりも目立たないように」と強く意識しすぎると、地味なドレスを選んでしまいがちです。
あまりに暗い印象のドレスは、見た目の雰囲気にも影響し、落ち着いた印象にしたつもりがかえって悪い印象になってしまいます。
そんなとき、光沢のある素材感のボレロや生地にラメが織り込まれているストール類は、華やかさをプラスしてくれるでしょう。
シンプルなワンピースもドレスアップできる
カジュアルなパーティーで、ドレスではなく日常的に使えそうなワンピースを着用するときにも、ボレロは活躍してくれます。
あまりにも「普段着感」のあるワンピースでは、パーティーの雰囲気によっては悪目立ちしてしまうかもしれません。
とは言っても、実際に会場へ足を運んでみないとどんな雰囲気なのかわからず、適切な服装がイメージできませんよね。
そんなとき、華やかなカラーや質感のボレロがあれば、いつものワンピースに合わせるだけでドレスアップさせてくれます。
シンプルなデザインのワンピースも、印象的なボレロや存在感のあるアクセサリーをあわせるだけでゴージャスなコーディネートに早変わりしますよ。
気になる体型をカバーできる
ボレロの素材感やシルエットにこだわれば、体型カバーにもなります。
二の腕が気になる人は二の腕周りがゆったりしたボレロ、背中が気になる人は覆い隠してくれるボレロ……というように、気になる部分を効果的にカバーしてくれるボレロをあわせてみてください。
ボレロの定義にもある「丈の短さ」は、視線を高くしてスタイルアップしてくれるポイントでもあります。
「ジャケットではダボついた印象になってしまう……」というときにも、スタイリッシュなシルエットが実現できるボレロが活躍してくれますよ。
ボレロの種類
ボレロと一口に言っても、その種類は様々です。たくさんの種類があって選ぶのが難しいと感じる方もいますが、その分自分だけのコーディネートを楽しむことができるアイテムでもあります。
まずは、ドレスに合いそうなボレロのタイプから決めるようにしましょう。
先ほどご紹介したジャケットやカーディガンも含めて、ドレスに合うアイテムを探してみてください。
ボレロタイプ
もっともスタンダードで人気の高いのが、ボレロタイプ。袖丈・着丈の種類が豊富で、デザインも多彩です。
迷ったらボレロタイプの羽織物を選んでおけば、間違いないでしょう。
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七分袖のベージュのボレロはシンプルなデザインで装飾がないので、柄物や刺繍など、どのようなドレスにも合わせやすく万能。 | 織り目の入ったシャンタン素材や裾と袖のフリルがエレガントで高級感のあるデザイン。 |
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パールボタンは可愛らしく、黒生地全体に細かいラメが入っている。 | 前に留め具のないスッキリとしたデザインは、ドレスに馴染みやすい。 |
ストールタイプ
上手に取り入れることができれば、おしゃれな印象を与えることができるのが、ストールタイプのボレロ。「ショール」「ストール」とも呼ばれることもあります。
簡単に折りたたむことができるため、持ち運びにも便利です。
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シルバーの細かなラメ糸が縦に織り込まれていて、程よいツヤ感があり上品な華やかさもある。 | 黒のボレロを羽織るとドレスの雰囲気をくずしてしまうような、淡いカラーのドレスにもぴったり。 |
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表面はシルバーのラメ入りなので顔映りも明るくなり華やかな印象に。 | 肌触りの良い伸縮性のある生地は透け感がなく安心。 |
ジャケットタイプ
もっともフォーマルな印象を与えるのが、ジャケットタイプのボレロ。
格式の高い会場で結婚式が行われる場合には、ジャケットタイプのボレロを選ぶのもいいでしょう。
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パール部を取り外して留めるピンクリップボタンが、華やかなワンポイント。 | 襟付きのデザインでかっちりとした印象なので、ご親族様や上司として。 |
ボレロの選び方
ボレロのタイプを選んだら、続いてさらに細かく理想のアイテムを探していきましょう。
色の選び方
次に、ドレスに合うボレロの色を選んでいきます。
色を選ぶ際には「どのような印象を与えたいか」「会場の雰囲気に合うか」を基準にしましょう。
例えば「フォーマルな会場なので大人っぽい印象を」という場合には、落ち着いた色(紺など)を、「華やかな会場で明るい印象を」という場合には、明るめの色(ベージュなど)を選ぶようにします。
ただし、黒いドレスに黒いボレロを合わせるのは避けましょう。
全身黒の服装は、喪服を連想させることから、結婚式には不適切とされています。
黒いドレスを着用する際には、ボレロを明るめの色にするなど、変化をつけるためのアイテムとしてボレロを使用してみてください。
フォーマルなシーンで黒いボレロを選びたいなら、反対にドレスのデザインを明るい印象のものにしましょう。
ひとつで華やかな雰囲気になる、大きなアクセサリーをあわせるのもよいでしょう。
また、ボレロそのものが軽やかな質感だったり、ほかの色味が混ざっていたり、異素材が組み合わされていたり、ラメやスパンコールが取り入れられていたりすると、黒いボレロでもあまり重い印象になりません。
「黒いボレロで大人っぽくまとめたい」というときは、意識してみましょう。
素材の選び方
結婚式に参加する場合には、ボレロの素材にも気を配ることが大切です。
ニットやコットンのボレロは可愛らしく、ついつい選びたくなりますが、カジュアルな印象を与えかねないため、結婚式では避けておくのが無難です。
また、ファー素材のものは、殺生をイメージさせることから結婚式にはふさわしくない素材と言われます。
これらのマナーは、ボレロだけでなくドレスやコートにも共通するマナーですから、覚えておきましょう。
ボレロの生地は、光沢のあるサテンや高級感のあるレースのものなら、幅広いシーンで活躍します。
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ほんのり透け感はあるが、肘まで隠れる長さの七分袖は、露出を抑えたい人にも安心。 | 二枚重ねのオーガンジーにジャガード柄の刺繍が入った高級感のあるデザインは、上品でクラシカルな印象。 |
ボレロもネットでレンタルできる
「ドレスは持っているけれど、ボレロはない」「ボレロがマナーとして必要だと知らなかった」「ボレロを用意したいけれど、買いに行く時間がない」
そんなときには、焦ってしまいますよね。
そこで活用したいのが、ドレスやボレロといった衣装のレンタルサービスです。
ネットのレンタルドレスショップでは、使用したい日だけボレロをレンタルすることも可能です。
価格も安いので、選択肢の1つに入れておきましょう。
また、「持っているドレスのデザインが古いかも」「バッグなど他の小物も併せて利用したい」という方は、レンタルドレスのコーディネートセットもおすすめです。
あらかじめプロによりトータルコーディネートされているので、悩むことなく簡単におしゃれを楽しむことができます。
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フィット&フレアのドレス王道シルエットは、キュッと締まったウエストラインを強調し、スタイル良く見えるデザイン。 | ウエスト上に入ったギャザーが、胸元のラインを目立ちにくくし、控えめバストの方にもおすすめ。 |
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さらりとした手触りとマットな質感が大人っぽいネイビーのドレス。 | スカートのレースが軽やかさを出してくれるピンクベージュのドレス。 |
ネットのレンタルドレスは、利用方法もとても簡単です。一度試してみてはいかがでしょうか。