法事は、故人を偲び、遺族や親族が集まる大切な場です。
とくに女性の服装は、季節や法要の時期、地域の風習によって選び方に迷うこともあるでしょう。
喪服やストッキング、バッグなど、細かなマナーまで気を配る必要があります。
そこで本記事では、法事の種類や時期に応じた女性の服装マナーについて解説。
法事の種類別に確認しておきたい女性の服装マナー
女性の喪服の種類、基本的なスタイル
パンツスーツやアウター、迷いがちな冬の装い
これらを具体的にご紹介します。
法事の服装はどうしても「間違ってないかな…」と迷ってしまうもの。
この記事を参考に、落ち着いた装いで失礼のない服装選びを心がけましょう。
法事の種類別、女性の服装のマナーとは
法事では、葬儀から年忌法要まで、時期や宗派に応じて服装の格式が異なります。
女性の場合、正喪服・準喪服・略喪服の違いを理解しておくことが大切です。
葬儀から三回忌までは喪服で
葬儀や告別式、一周忌・三回忌といった比較的近しい法要では、正式な喪服を着用するのがマナーとされています。
とくに遺族や近親者として参列する場合、黒無地のワンピースやアンサンブル、パンツスーツなど、格式のある装いを選びましょう。
冬場であっても、アウターは黒のフォーマルなものを羽織るのが基本です。
なお、喪服には「正喪服」「準喪服」「略喪服」といった格があります。
このあと、それぞれの違いについても詳しく解説しますので、服装選びの参考にしてください。
三回忌以降は略喪服が一般的
三回忌を過ぎた法事では、略喪服と呼ばれる控えめな服装が一般的になります。
正喪服や準喪服ほど堅苦しさはなく、黒や濃紺・チャコールグレーといった落ち着いた色味であれば問題ないとされています。
ただ、地域によっては黒のみとする場合もあるので、地域の風習や親族に従いましょう。
素材やデザインも地味であれば、パンツスーツやセットアップなども適しています。
ただし、参列者の立場や法事の規模によって服装の格が求められることもあるため、事前に遺族や主催者と確認しておくのが安心です。
略喪服は「控えめで清潔感のある装い」が基本になります。
ストッキングは黒無地を着用し、小物類も黒を基調とした落ち着いたものを選びましょう。
女性の正喪服
正喪服は、喪服のなかでも最も格式が高く、葬儀・告別式など故人との関係が深い立場の参列者(喪主や親族)に求められる装いです。
女性の場合、黒無地のワンピースやアンサンブル、ロング丈のスカートスーツなどが基本で、深い黒の素材が用いられます。
和装では、「黒無地染め抜き五つ紋付き」の着物が正喪服です。
現在では洋装の正喪服を選ぶ方が一般的ではありますが、伝統や風習、格式を重んじる地域やご家庭によっては、今も喪主が着物を選ぶこともあります。
パンツスタイルは避けるのが一般的で、スカート着用時は必ず黒無地のストッキングを合わせましょう。
アクセサリーは一連の真珠または黒曜石などに限られ、結婚指輪以外は外すのが基本です。
靴やバッグも黒の布製または光沢や柄のないレザーを選び、派手な装飾やブランドロゴが目立つものは避けましょう。
髪型やメイクも控えめにし、全体として厳粛な場にふさわしい印象を心がけてください。
女性の準喪服
準喪服は、正喪服よりやや格式を抑えた装いで、通夜や一周忌・三回忌など幅広い法要の場で着用されます。
参列者の立場を問わず着用できるため、最も着用頻度の高い喪服と言えるでしょう。
女性の洋装では、黒無地のワンピースやアンサンブル、シンプルなデザインのスーツが基本。
パンツスーツも着用可能ですが、カジュアルに見えないよう注意が必要です。
ストッキングは黒無地を選び、小物類も黒で統一します。
和装では、染め抜き三つ紋付きの黒無地着物が準喪服にあたります。
地域や年代によっては、着物での参列が好まれることもあるため、親族間で事前に相談しておくと安心です。
女性の略喪服
略喪服は三回忌以降の法要や、親族以外の立場で参列する際に適した装いです。
正喪服・準喪服よりもやや格式が低く、落ち着いた色合いと控えめなデザインであれば、黒に限らず濃紺やチャコールグレーなども許容されます。
女性の場合、無地で光沢のないワンピースやセットアップ、シンプルなパンツスーツなどが一般的です。
柄物や透け感のある素材、フリルなどの装飾は避け、きちんと感のある装いを心がけましょう。
ストッキングは黒無地を合わせ、バッグや靴もフォーマルな黒で統一します。
カジュアルすぎないか不安な場合は、準喪服寄りの落ち着いた装いを選ぶと安心です。
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ハートネックカットのオールインワンにくるみボタンジャケットを合わせた黒のセレモニースーツ。 | さり気なく立ち上がったタック衿にパールピンが際立つ黒のワンピース。喪のシーンではパールピンを取りシンプルに。 |
法事の際の小物類の選び方・その他注意点について
服装だけでなく、小物類にもマナーがあります。
バッグや靴、アクセサリーなどの選び方を誤ると、せっかくの装いが台無しになることも。
ここでは、女性が法事で気をつけたい小物や身だしなみのポイントをご紹介します。
アクセサリーの選び方
アクセサリーは基本的に身につけないのが原則ですが、身につける場合は真珠や黒曜石の一連ネックレスが許容されます。
2連の真珠ネックレスは、「悲しみが重なる」とされるのでNGです。
また、ピンクやマルチカラーの真珠も避けましょう。
結婚指輪は例外として着用可能ですが、それ以外の華美な装飾品は控えましょう。
バッグの選び方・マナー
バッグは黒の布製、または光沢のないレザー素材を選びましょう。
金具やロゴが目立つデザイン、エナメル素材、カジュアルなトートバッグなどはNGです。
装飾のないシンプルな形が基本です。
大きさは小ぶりなものを選ぶと、派手な印象にならず上品で落ち着いたコーデにまとまります。
シューズの選び方
シューズは黒の布製または光沢のない革素材のパンプスが基本です。
ヒールは3~5cm程度の低めが望ましく、ピンヒールやオープントゥ、装飾付きの靴は避けましょう。
靴とストッキングの素材感に差があると足元だけ浮いて見えることがあるため、全体の調和にも気を配りましょう。
ストッキングの選び方
法事では黒無地のストッキングを着用するのが基本です。
柄入りやラメ入り、タイツのような厚手のもの、ベージュのストッキングは避けましょう。
厚さは肌が透ける40デニール前後が適しています。控えめで清潔感のある印象を心がけましょう。
アウターはどうする?
寒い季節はアウターの着用も必要ですが、派手な色や柄物は避け、黒や濃紺など落ち着いた色味のコートを選びましょう。
フード付きやダウン素材はカジュアルに見えるため不向きです。
式場では脱いでクロークに預けるか、畳んで手元に置いておくのがマナーです。
ヘアメイク
ヘアスタイルやメイクは控えめに整えるのが基本です。
髪色は落ち着いたトーンにし、ロングヘアはまとめて清潔感を意識しましょう。
メイクはナチュラルメイクが望ましく、ラメや濃いリップは避けてください。
ネイルをしている場合は手袋も
派手なネイルアートや濃いカラーのネイルは避けるのがマナーですが、弔事は準備できない出来事であるため、どうしても落とせないこともあります。
その際は黒のフォーマル用手袋でカバーしましょう。
無地や派手すぎないレースをあしらったものもOKです。
焼香の際は外すようにしましょう。
まとめ
法事の際の女性の服装は、時期や立場によって適切な装いが異なります。
正喪服・準喪服・略喪服の違いを理解し、落ち着いたデザインと配色を選ぶことが大切です。
パンツスーツやアウター、ストッキング、小物のマナーにも注意しましょう。
服装や小物に迷ったときは、地域の風習やご家族との相談も大切です。
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