「インフォーマルな服装で来てください」といわれて、どんな服装を選ぶべきか戸惑ったことはありませんか。
なんとなくかっちりし過ぎないようなイメージはあっても、具体的な服装がわからずに悩んでしまう方も多いでしょう。
今回は、インフォーマルの本当の意味と使い方、フォーマルとの違い、お祝い事に適したインフォーマル服装選びについてご紹介します。
さらに、インフォーマルスタイルの種類と選び方についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
<この記事でわかること>
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- インフォーマルの本当の意味と使い方
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- フォーマルとの違い
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- お祝い事に適したインフォーマル服装の選び方
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- ビジネスやパーティーに適したインフォーマル服装の選び方
インフォーマルの本当の意味と使い方
インフォーマルは、ファッションだけではなくビジネスシーンでも使われる言葉なので、まずは本来の意味をチェックしておきましょう。
インフォーマルの本当の意味や使い方を押さえておけば、「相手がどのような意味で使っているのか」「自分はどうやって使えば良いのか」がわかるようになりますよ。
こちらからは、インフォーマルの本来の意味、ビジネスや社会でのインフォーマルの解釈、そしてドレスコードとしてのインフォーマルの位置づけについて解説していきます。
インフォーマルの本来の意味と語源
インフォーマルとは、「非公式の」「形式ばらない」「略式の」といった意味の言葉です。
言葉やコミュニケーション、服装など、様々なシーンにおいて公式のルールや慣習にあえて従わない様子を指します。
インフォーマルは、英語の形容詞「informal」をもとに使われている言葉です。
「正式な」「公式な」といった意味のある「formal(フォーマル)」に、否定を意味する接頭辞「in」がついているため、「informal=非公式の、形式ばらない」などの意味を持ち合わせています。
また、インフォーマルは、「公式ではない」ということだけではなく、「カジュアルな」という意味も含まれています。
このため、家族などの気心が知れた間柄で話す会話なども、インフォーマルな場面といえるでしょう。
ビジネスや社会でのインフォーマルの解釈
インフォーマルという言葉は、ビジネスや社会においても「非公式の」「形式ばらない」といった意味で使われています。
具体的には、以下のような場面がインフォーマルに該当します。
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- 来客なしの社内の打ち合わせ・会議
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- 非公式の社外の見学・視察
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- ビジネスカジュアルが許容されている職場
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- 懇親会・社内交流イベント
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- カジュアル面談やインターンの初日
クライアント対応がない日や同僚との定例会議に加え、さらに顧客対応はないもののビジネスの一環として社外の移動や視察を行う場合は、インフォーマルな場面といえるでしょう。
また、ベンチャー企業や広告業界など柔軟な社風の会社では、インフォーマルな服装が基本となっている場合もあります。
懇親会・社内交流イベントとして行われる飲み会や立食パーティーなどでも、直接業務に関わるわけではありませんが、あくまでビジネスシーンであることをふまえて、きちんと感のあるインフォーマルを意識してみてください。
このようにビジネスや社会におけるインフォーマルなシーンでは、硬すぎず好印象を与える装いが求められます。
きちんと感の感じられるジャケットにきれいめブラウスを合わせたり、パリッとしたシャツワンピース、アンサンブルとタイトスカートの組み合わせなど、清潔感があり上品な服装を意識しましょう。
ドレスコードとしてのインフォーマルの位置づけ
場所や時間、シーンに合わせた服装のルールである「ドレスコード」。
ドレスコードにおけるインフォーマルは「略礼装」とも呼ばれており、カジュアルなフォーマルスタイルを指します。
正装(フォーマル)を略した装いという意味なので、ドレッシーなワンピ―スやビジネスシーンとは異なるダークカラーのスーツなどが当てはまるでしょう。
フォーマルスタイルの中で最もカジュアルな装いにはなりますが、Tシャツ×ジーパンなどのラフ過ぎる服装は避け、上品なコーディネートを意識することが大切です。
インフォーマルの着用シーンとしては、格式張らない結婚式やパーティー、発表会やお宮参りなどが挙げられます。
また、結婚式の招待状に「平服(へいふく)でお越しください」と記載されていた場合は、インフォーマルの服装で参加しましょう。
フォーマルとインフォーマルの違い
フォーマルは「正式な」「公式な」という意味で使用され、インフォーマルは「非公式の」「形式ばらない」といった意味で使用される言葉です。
一方で、ファッション業界では、両者において以下のような違いがあります。
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- フォーマル(正礼装・正装):最も格式が高いドレスコード
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- インフォーマル(略礼装):3番目に格式の高いドレスコード
フォーマルは、結婚式の主催者側をはじめ、皇室行事や記念式典など格式の高い式典、葬儀の場合に着用するものです。
一方、インフォーマルは、結婚式や披露宴などポピュラーな礼装として使われています。
シーン別の使い分け方
ドレスコードのフォーマルとインフォーマルを、様々なシーン別にご紹介します。
フォーマルな服装
■結婚式(新郎新婦)
最も格式が高く、結婚式や式典の主催者側が着用します。
新郎
- 五つ紋付き羽織袴
- モーニングコート<昼>
- テールコート(燕尾服)<夜>
新婦
- ウエディングドレス
- 白無垢
- 色打掛
- 黒引き振袖
■結婚式(新郎新婦の両親、媒酌人)
男性
- モーニングコート<昼>
- テールコート(燕尾服)<夜>
女性
- 黒留袖
- アフタヌーンドレス
- イブニングドレス
■お葬式(喪主や配偶者)
男性(現代ではブラックスーツが主流)
- モーニングコート
- 紋付羽織袴
女性
- ブラックフォーマルウェア
- 黒喪服
インフォーマルな服装
■平服指定の結婚式やパーティー
■七五三やお宮参り
■発表会
男性
- ダークスーツ
女性
- ドレッシーなワンピース
- エレガントなスーツ
■お葬式(一般参列者)
■お通夜・お別れ会
■三回忌以降の法要
男性
- ブラックスーツ
- ダークスーツ
女性
- ダークカラーのワンピース
- セットアップスーツ
- アンサンブル
フォーマルの場合、様々なシーンによって適切な服装は異なりますが、インフォーマルの場合であれば厳格なスタイリングの制約はありません。
また、フォーマルやセミフォーマルは昼間(18:00まで)と夜間(18:00以降)でドレスコードが変わる一方、インフォーマルは時間帯に限らず服装を選ぶことができます。
お祝い事に適したインフォーマルな服装選び
インフォーマルの服装例をご紹介しましたが、「具体的にどんなコーディネートをすれば良いんだろう」と悩んでしまう方も多いでしょう。
形式にこだわらない結婚式や顔合わせ、カジュアルなレストランでの同窓会など、インフォーマルの服装を選ぶべきお祝い事は様々です。
こちらからは、そんなお祝い事にぴったりなインフォーマルの服装を男女別にご紹介していきましょう。
男性向け:お祝い事のインフォーマルコーディネート
男性がお祝い事のインフォーマルコーディネートを考える場合、ブラックスーツやネイビー・グレーなどのダークスーツに、ネクタイや革靴を合わせるのがおすすめです。
フォーマルやセミフォーマルよりもややカジュアルなドレスコードを目指しつつ、あまりにもラフなスタイルにしてしまうと浮いてしまうので場の雰囲気に合わせて考えましょう。
例えば、「ネクタイは必ず着用する」「スーツの色はダークで濃い色を選ぶ」といった配慮が大切です。
ネクタイやシャツに特別な色の指定などはないものの、あまりにも明る過ぎる色や派手過ぎる色は、悪目立ちする可能性があるので避けた方が無難でしょう。
柄物や上下の素材が異なる服、また流行を取り入れた服などもマナー違反ではありませんが、あくまでフォーマルシーンに着ていくコーディネートということを忘れないことがポイントです。
会場の雰囲気やゲストの顔ぶれなどを参考にしながら、インフォーマルコーディネートを考えていきましょう。
女性向け:お祝い事にふさわしいインフォーマルスタイル
女性がお祝い事でインフォーマルスタイルを考えるときは、きちんと感のある上品なドレスやワンピースを選んでみてください。
男性と同様、フォーマルやセミフォーマル程改まった服装ではないものの、麻やデニムなどのラフな素材や色数が多いプリント柄など、カジュアル要素の強いドレスは控える方が良いでしょう。
光沢のあるサテンやシャンタン、レースやシフォンなどがあしらわれているドレスであれば、お祝い事にふさわしいインフォーマルスタイルに仕上げることができます。
また、スカートの丈は上品な膝丈~ロング丈を選び、ノースリーブなど露出の多い服装は羽織物などで調節しましょう。
パンツドレスもインフォーマルに該当するので、「スタイリッシュなコーディネートにしたい」という方は検討してみるのも素敵ですね。
パンツドレスの場合は、華やかな小物を選んだり素材やシルエットにこだわったりすることで、ドレッシーな雰囲気に仕上げることがおすすめです。
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胸上からシアーに切り替えたIラインドレスに、ボリューム感のあるグリーンのオフショルダーボレロがセットになったレイヤードスタイル。 | ブラックのインナードレスにダークグリーンのシアードレスを重ねたレイヤードドレス。 |
インフォーマルスタイルの種類と選び方
インフォーマルスタイルは結婚式などのお祝い事だけではなく、様々なシーンで活用されています。
こちらでは、「ビジネスインフォーマル」と「パーティー向けインフォーマル」について、どのような服装を選ぶべきかをご紹介していきましょう。
ドレスコードはマナーとして捉えられているので、適切な服装を選ばなければ浮いてしまうこともあります。
インフォーマルスタイルの種類と選び方を押さえておき、自信を持って臨みましょう。
ビジネスインフォーマルの活用術
会社の創立記念や新店舗のお披露目などのビジネスシーンでは、インフォーマルスタイルで参加しましょう。
男性はベーシックカラーの無地や上品な柄物のスーツに、スマートなネクタイやシューズを合わせるのが一般的です。
一方、女性は落ち着いた色やデザインのドレスを選ぶことで、適度な華やかさを添えることができます。
また、セットアップであれば「やっぱりジャケットは脱いだ方が良いかな」と、とっさの判断で服装を変えることが可能です。
ビジネスインフォーマルを選ぶときは、主催者の業界やブランドのコンセプトに合わせて服装を探すことも大切でしょう。
「主催ブランドのアイテムを身につけていく」などの心配りを意識しながら、悪目立ちをし過ぎないように場の雰囲気になじむ色使いやデザインを選んでみましょう。
また、スカート丈が短くなりすぎないようにするなど、ビジネスの場であることを考慮した服装がベストでしょう。
パーティー向けインフォーマルの選び方
格式張らないパーティーの場合、上品でありながら華やかさも感じられるインフォーマルスタイルを選んでみましょう。
男性の場合は、落ち着いた色合いのスーツやジャケットでスマートに決めてみてください。
ボタンダウンのシャツやくるぶしソックスは、パーティーのインフォーマルスタイルとして相応しくないので、避けるのがおすすめです。
一方、女性の場合は、シルクやサテンなど上品な光沢を感じられるドレスに、パールアクセサリーなどで程よくエレガントなコーディネートに仕上げてみましょう。
目上の方やビジネス関係の方が出席しない場合は、デコルテや肩、背中などを適度に見せるカクテルドレスもおすすめです。
また、パーティーの服装を選ぶ際に意識したいのが、「ドレスコードが指定されているかどうか」です。
ドレスコードがある場合は招待状に明記されているので、今一度チェックしてみてください。
加えて、パーティーの雰囲気にもよりますが、派手すぎる服装やカジュアルすぎる服装はマナー違反とされることが多いので注意してくださいね。
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ビオラをモチーフに描いた刺繍がフェミニンで優しい印象を引き立て、透明感のあるスパンコールが光を受けて上品にきらめく一着。 | 繊細なスパンコール入りのレースとサテン生地を組み合わせた、ラグジュアリーなドレス。 |
まとめ
今回は、インフォーマルの本当の意味と使い方、フォーマルとの違い、お祝い事に適したインフォーマル服装選びなど、以下4点についてご紹介しました。
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- インフォーマルの本当の意味と使い方
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- フォーマルとの違い
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- お祝い事に適したインフォーマル服装の選び方
-
- ビジネスやパーティーに適したインフォーマル服装の選び方
シーンに合わせて適切なインフォーマルスタイルを選ぶことで、「素敵な人だな」と好印象を与えることができるでしょう。
なんとなくコーディネートが難しく感じるインフォーマルスタイルですが、今回の記事を参考にしながらぴったりのスタイルに仕上げていきましょう。
よくある質問
インフォーマルとはどういう意味ですか?
インフォーマルとは、「非公式の」「形式ばらない」「略式の」といった意味の言葉です。
フォーマルと対になる言葉で、公式とは異なる場面やサービス、カジュアルな服装やコミュニケーションを指します。
インフォーマルな服装とはどんな服装ですか?
インフォーマルな服装とは、「略礼装(りゃくれいそう)」を指すドレスコードであり、「フォーマル(正礼装・正装)」「セミフォーマル(準礼装)」に次ぐ服装です。
男性であればブラックスーツやダークスーツ、女性であればドレッシーなワンピースやエレガントなスーツが当てはまります。
福祉におけるフォーマルとインフォーマルの違いは何ですか?
福祉におけるフォーマルサービスとインフォーマルサービスは、以下のような違いがあります。
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- フォーマルサービス:行政や介護保険事業などの公的機関が提供するサービス
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- インフォーマルサービス:家族や友人、ボランティアなどが非公式に行うサービス