結婚式の受付は、新郎新婦の友人や会社の同僚がお手伝いするのが一般的です。両家の代表として重要な役割を担うため、マナーに基づき丁寧に挨拶しなければいけません。
また、結婚式にゲストとしてお呼ばれした場合も、受付でお祝いの言葉などの挨拶するときに、失礼のないように振る舞いましょう。
この記事では、結婚式の受付での挨拶について、ゲスト側・受付側それぞれの立場から例文を紹介しながら解説しています。
目次
受付係の挨拶
受付係は2名で行うケースがほとんどで、結婚式のご祝儀を受け取る係や、会場の案内などをする係に役割が分担されます。役割によって挨拶の内容も大きく異なるため、可能であれば事前に自身が何の係を担当するかを確認しておきましょう。
ただし、必ず友人や会社の同僚同士で受付係を任されるわけではなく、事前に打ち合わせができないこともあります。その場合はどのような係を任されても対応できるように、受付係として想定されるすべての挨拶を頭に入れておく必要があります。
受付係の仕事は、最初にゲストを迎え、ご祝儀を受け取り、芳名帳への記帳をお願いして、席次表やプログラムを渡すことです。お祝いごとということを忘れずに、笑顔で対応することを常に心がけましょう。
親族への挨拶
受付係は、結婚式のゲストよりも前に式場入りして準備をします。新郎新婦のご両親や親族の方がいらっしゃる場合や、受付をはじめる前に時間があるなら、礼儀としてきちんと挨拶をしておきましょう。
本日受付係を務めることをきちんと伝えて、「自己紹介」をしながら「お祝いの言葉」を丁寧に伝えましょう。
- 自分が新郎新婦の友人である場合の挨拶例文
- 「ご結婚誠におめでとうございます。本日受付を担当する (新郎新婦の名前)の友人の ○○と申します。どうぞよろしくお願いいたします」
- 自分が新郎新婦の同僚である場合の挨拶例文
- 「本日は大変おめでとうございます。心よりお祝い申しあげます。私、本日受付係を務めさせていただきます(新郎新婦の名前)の同僚の○○と申します。(新郎新婦の名前)さんにはいつも職場で大変お世話になっております。本日は誠心誠意務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします」
受付同士の挨拶
受付係を初対面の方と行うことになった場合には、仕事をはじめる際に挨拶が必要です。
- 受付同士の挨拶例文
- 「(新郎新婦の名前)の友人(もしくは同僚)の○○と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします」
ゲストへの挨拶
ゲストの皆様が受付に来たら、必ず一人ひとりに一礼をして迎えましょう。新郎新婦との関係や、その日の天候などによっても挨拶の文言は異なります。
いずれの場合も、ゲストから「おめでとうございます」と言われた後で、新郎新婦の代わりとして心をこめて挨拶を行います。
- ゲストへの挨拶例文
- 基本的には、「本日はお忙しい中、ご出席いただきましてありがとうございます」で問題ありません。
- 親族の場合は、「本日は誠におめでとうございます」と頭につけるとよいでしょう。
- 雨の日は、「本日はお足元の悪い中お越しくださいまして、誠にありがとうございます」付け加えましょう。
ご祝儀を預かるときのお礼
最初の挨拶が終わると、次にゲストからご祝儀を受け取る作業に移ります。ご祝儀は必ず両手で受け取り、お礼の言葉を伝えます。
受付係からご祝儀を催促するのは厳禁です。必ずゲストからご祝儀を差し出されるのを待って、しっかりお預かりしましょう。
- ご祝儀を預かるときのお礼の例文
- 「ありがとうございます。お預かりいたします」とお礼の言葉を伝えて、用意されたトレーの上にご祝儀を納めましょう。
芳名帳へ記帳をお願いするとき
結婚式に慣れている方なら、受付係から何も言わなくても芳名帳に記帳してくれます。そうでない場合は、芳名帳を手のひらで示すか、
「恐れ入りますが、こちらにお名前とご住所の御記帳をお願いいたします」
と伝えましょう。
ゲストカードを預かるとき
最近では、受付時間を短縮して進行をスムーズにするため、結婚式の招待状と一緒にゲストカードを同封するパターンも多くなっています。
ゲストカードを利用した場合は、芳名帳の記帳が必要ないため、ゲスト側から渡された場合は、
「ありがとうございます。お預かりいたします」
と伝えて専用のトレーに置きます。
渡されない場合は、
「新郎・新婦より送らせていただきましたゲストカードをお預かりいたします」
と伝えて受け取りましょう。
席次表や控室の案内
芳名帳への記帳やゲストカードの預かりが終われば、ゲストに席次表などを渡して受付が完了ですが、そのときには必要に応じて控室の案内も行います。
- 席次表や控室の案内をするときの例文
- 「こちらが本日の席次表です。お席をご確認ください。会場の準備が整いましたらご案内いたしますので、もうしばらく控え室でお待ちください。控え室はトイレ左手奥にございます」
- 「こちらが本日の席次表でございます。すでに開場しておりますので、お席におかけになってもうしばらくお待ちください」
会場内の案内を求められたとき
受付係をする場合は、会場内の案内を求められることもあります。
したがって、事前に会場内のトイレなどの場所を確認して、案内できるように用意しておくことをおすすめします。
ただし、ホテルなどの広い施設の場合は、必要以上のことを受付係が対応しなくてもよいので、近くにいるホテルや結婚式場のスタッフに案内を任せましょう。
そうしなければ、受付けが混み合い、結婚式の進行にも支障をきたしてしまう可能性が出てきます。
ゲストの挨拶
結婚式の会場に到着すると、はじめに向かうのが受付けです。
持参したご祝儀を渡すことと芳名帳への記帳をする前に、まずは受付スタッフに挨拶をしましょう。
「本日はおめでとうございます」
とお祝いの言葉を伝えます。受付になるべく手間をかけさせないように
「新婦友人の◯◯と申します」
と付け加えるとスマートです。
ご祝儀を渡すときは一言を添える
ご祝儀を手渡すときには、
「心ばかりのお祝いでございます」
「ささやかですがお祝いの気持ちです」
などと一言添えましょう。
すでにご祝儀を渡し終えている場合は、
「お祝いは先日お届けいたしました」
「お祝いは済んでおります」
と伝えると、受付スタッフを困惑させなくて済みます。
席次表や控室の案内をされたとき
席次表や控室の案内をされたら、
「ありがとうございます」
としっかりお礼を伝えながら受け取りましょう。
このときに、交通費としてお車代を渡される場合もあります。受付スタッフは代わりに受付に立っているだけなので、受け取りを拒否すると困らせてしまいます。お礼を伝えて、快く受け取りましょう。
【まとめ】結婚式で最低限必要な挨拶は早めに覚えておきましょう
結婚式の受付ですべき挨拶は、立場や場面に合わせてたくさんの種類があります。特に友人から受付係を頼まれた場合は、新郎新婦の両家の代表としての立場を担うこととなり、自分が恥をかけば済むだけの問題ではありません。
少なくとも社会人であるなら、大人としての自覚をしっかり持つようにして、最低限の挨拶マナーは早めに身に付けておくことをおすすめします。