結婚式といえば、美味しい料理にお酒。でもフランス料理なんて、そう頻繁には食べないものですから、テーブルマナーに自信がない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、結婚式の食事でのマナーを解説いたします。
おもに、ナプキン、カトラリー、飲み物、料理の4つのカテゴリーに分けて分かりやすく説明していきます。
目次
ナプキンのマナーに関する4つのポイント
まずは、ナプキンのマナーについて解説いたします。ナプキンは、汚れた指や口元を拭くために置かれていますが、広げるタイミングや畳み方など、注意しなければならないことがいくつかあります。
ナプキンを広げるタイミングは乾杯後、席についてから
着席後、すぐにナプキンを広げてもマナー違反ではないですが、本来、主賓がナプキンを広げるのを待つのが正式なマナーといわれています。
また、ナプキンは広げることで「これから食事をはじめる合図」となります。そのため、通常の食事の席ではナプキンは食事の前に広げますが、結婚式の場合は乾杯後、席についてから広げるのがベストです。
ナプキンの折り目をお腹側にして膝の上に乗せる
ナプキンを広げて2つ折りにし、折り目をお腹側にして膝の上に乗せます。
ナプキンを首元に掛けるのはNGです。また、口を拭く際は折り畳んだ内側で拭き、汚れた面が見えないように注意しましょう。
離席の際はナプキンを椅子の上に掛ける
できるだけ中座をしないのが食事中のマナーですが、披露宴では、お手洗いや写真撮影などで席を離れることは多いかと思います。
離席するときは、ナプキンを椅子の上か、背もたれに掛けておけば離席(中座)のサインになります。
ナプキンをきれいに畳んで置いておくのはタブー
食事が終わったあと、ナプキンをきれいに畳んでテーブルの上に置いておく方がいますが、実はこの行動は「料理やサービスが不満」というサインになってしまいます。
とはいっても、ぐちゃぐちゃな状態でテーブルの上に置くのも考えものです。軽くフワリと畳んでテーブルの上に置くようにしましょう。
カトラリーのマナーに関する4つのポイント
カトラリーとは、食卓用のナイフやフォーク、スプーンなどの総称です。
テーブルの上にズラッと並べられたカトラリーを前に「使い方がよくわからない…」と冷や汗をかく方も少なくありません。そんなことにならないように、カトラリーのマナーをしっかり身に付けておきましょう。
カトラリーの持ち方
ナイフは右手、フォークは左手で持ちます。ナイフやフォークの付け根部分に人差し指を添えて持ちます。スプーンは右手で鉛筆持ちをします。
カトラリーは外側から順番に使う
カトラリーを使う順番は「外側から順番に使う」と覚えておきましょう。
フランス料理は、前菜、スープ、魚料理、肉料理の順番で出てきますので、外側のカトラリーから順番に使えば大丈夫です。
ただし、スプーンに関しては、一番右端にスープ用のスプーン(先が丸い形のもの)と中央の大きなお皿の上にデザートスプーンが配置されていることが多いため、注意しましょう。
もし、使うカトラリーを間違えてしまっても、新しいものをスタッフの方が用意してくれます。落ち着いて対処しましょう。
食事中のカトラリーの置き方は「八の字」
食事中にカトラリーを置くときは、お皿の上に「八の字」になるように置きます。このとき、ナイフの刃は内側に、フォークは背を上にします。これは「まだ食事中」というサインです。
食事が終了したら、時計の4時の方向にカトラリーを平行に揃えて食べ終わったお皿の上に置きます。このとき、フォークは手前、ナイフは奥にし、ナイフの刃は内側にしましょう。こうすることで「食事が終わった」というサインになります。スタッフが食べ終わったお皿を下げてくれます。
カトラリーを落としたらスタッフに声をかける
カトラリーを落としてしまったら、自分で拾うのはマナー違反です。まわりの人にひと言お詫びをし、スタッフに声をかけましょう。
カトラリーのほか、ナプキンを落とした場合も同様です。
飲み物と乾杯のマナーに関する4つのポイント
テーブルの上に置いてあるグラスは、大きいグラスは水などを飲むためのグラス、そのほか、手前からシャンパングラス、白ワイングラス、赤ワイングラスの順番で配置されています。
ここでは、飲み物と乾杯のマナーについて説明します。
乾杯酒は断らないこと
お酒が飲めない人も乾杯のときは用意されたお酒を手に持つのがマナーとされています。飲むふりでも問題はないので、グラスを口に付けましょう。
乾杯の案内があるまでは飲まない
テーブルの上に置いてあるグラスは、スタッフが用途に合わせて飲み物を注いでくれます。カトラリーのときのように順番は気にしなくて大丈夫です。
ドリンクを注がれるときは、グラスを持ち上げないようにします。
また、乾杯の案内の前に飲み始めるのもNG。司会者から乾杯の案内があるまでは口を付けないようにしましょう。
乾杯のときはグラスとグラスをぶつけない
乾杯の案内を聞いたら、自分の目の位置までグラスを上げ、周囲の人と目を合わせて「乾杯」といってからひと口飲みます。
このとき、グラスとグラスをぶつけて音をたてないのがマナーです。
飲み物を飲み干すのはマナー違反
乾杯の際に、ひと口飲んだらテーブルの上にグラスを置いて、拍手をします。
なお、乾杯のときに限らず、グラスに注がれた飲み物を飲み干すのはマナー違反となるので注意しましょう。
料理のマナーに関する5つのポイント
次に、料理を食べるときの注意点を説明いたします。
マナー違反にならないよう気を配りながら食べるのは緊張するかもしれません。そんな時でも、ポイントさえおさえておけば安心ですよ。
食べるペースはまわりに合わせる
テーブルの人、全員に料理が運ばれたら食事を始めます。上座の人が食べ始めたあとに食べるのがベターです。また、料理を食べるペースは、早すぎても遅すぎてもいけません。遅いとテーブルの上にお皿がたまってしまいます。普段は食べるのが遅い人も、結婚式の食事のときはまわりのペースに合わせて食べるようにしましょう。
スープは、口に入れる感じで静かに飲む
左手をお皿に添え、手前から奥へとスプーンを動かしてスープをすくいます。スプーンを口に当てたら吸うのではなく、口に入れる感じで静かに飲みます。間違っても、ズズズーっと音をたてないよう静かに飲みましょう。
スープが少なくなったら、お皿の手前を持ち上げて奥に傾けてスープをすくいます。飲み終わったら、スプーンの背を上にしてお皿の中央に置きます。
パンは料理と一緒に食べる
パンは、ひと口大にちぎっていただきます。料理の前にパンが出されることがありますが、料理と一緒に食べるのがマナー。料理のソースを付けて食べるのは問題ありませんが、格式の高い場ではなるべく控えるほうがベターです。
メイン料理はひと口ずつ切って食べる
メイン料理はひと口ずつ切って食べるようにしましょう。最初にすべて切ってから食べるのはNG。マナー違反になるうえ、料理が乾いて味が落ちてしまうので注意しましょう。
無理にフォークの背に乗せて食べるよりはスマートに食べることを優先
イギリス式の場合は、フォークの背に乗せて食べるのがマナーですが、フランス式ならマナー違反にはあたりません。イギリス式かフランス式かは、カトラリーの向きを見て判断します。イギリス式ではカトラリーが上を向いており、フランス式では伏せた状態で置かれています。しかし、無理にフォークの背に乗せて食べにくくなるのなら、やらないほうがスマートかもしれません。
結婚式の食事でよくある疑問
ここまで、ナプキン、カトラリー、飲み物、料理のマナーについて説明いたしました。
このほかにも、結婚式の食事でよくある疑問をいくつかまとめてみました。ぜひ参考になさってくださいね。
スピーチ中や余興中は、食事をしていいの?
スピーチ中や余興中に食事を続けてもマナー違反にはなりませんが、できれば手を止めて、場の雰囲気を壊さないように心がけましょう。スピーチや余興の最初と最後の拍手もお忘れなく。
料理をお箸で食べたいときは?
テーブルに並んでいなくてもお箸が用意されていることも多いです。ナイフやフォークは使いづらい!マナーが気になりすぎて食事が楽しめない!という方は、スタッフにお願いしてお箸を用意してもらうのもよいでしょう。
苦手な食べ物やお腹いっぱいのときは残してもいい?
どうしても食べきれない場合は、無理をしなくても大丈夫です。スタッフに声をかけてお皿を下げてもらうか、カトラリーをお皿に置いて「食事が終わった」サインを出しましょう。このとき、八の字に置いてしまうと食事中だと思われてお皿を下げてもらえないため、注意しましょう。
グラスを片手で持つのはマナー違反?
グラスの下に手を添えるほうがエレガントに見えるような気がしますが、実はこの持ち方、欧米では失礼にあたる行為なのです。「グラスの底に穴があいていないか疑う行為」というのが由来となっています。グラスは片手で持つようにしましょう。
【まとめ】マナーを守りつつ雰囲気や食事も楽しむことも忘れずに
公式の場で、年齢にあった振る舞いやマナーを守るのは大切なことですが、結婚式のお祝いムードや料理を楽しむことも忘れないでください。最低限のマナーを身に付け、朗らかに結婚のお祝いをしましょう。