結婚式の招待状をいただいた場合は、同封のはがきで出欠の返信をする必要があります。
その際に気になるのが「いつまでに返信すればいいのか」「返信を書く際に使う筆記用具はなんでもいいのか」「どういう書き方で返信すればいいのか」などといった基本的マナーについてです。
ここでは、結婚式の招待状の返信対応について、気になる基本的マナーを詳しく解説していきます。
「結婚式の招待状をいただいた、おめでたいことだから失礼のないようにしたい」という場合、どのようなことに気をつけるべきなのでしょうか。
ここで結婚式招待状の返信について、基本的なマナーや書き方のポイントを知っておきましょう。
目次
結婚式招待状の返信は返信期日より早いタイミングがマナー
結婚式招待状には「来る○月○日までにご都合の程お知らせくだされば…」といった形で返信期日が記載されていますが、
「返信期日に間に合えばギリギリでも問題ないだろう」というのはマナーとしては正しいものではありません。
新郎新婦はゲストの出欠の状態を確認してから席次表や引き出物などの準備をしていくこととなるため、
早めに返事をしてもらえるほうがありがたい、というのが本音ですので、招待状をもらった側も、返信期日よりも早いタイミングでの返信をすることが基本的なマナーとなります。
ただし「返信のベストタイミング」という点については、その結婚式に出席するか欠席するかによって少々対応が異なります。
結婚式に出席する場合の返信のタイミングは2〜3日以内
結婚式に出席する場合は、招待状を受け取ってから2~3日以内に返信するのがベストタイミングです。
いち早く出席の返信をすることによって「出席したい」という気持ちをアピールできることにもつながります。
2~3日以内は無理という場合も、せめて1週間以内には返信するようにしましょう。
どうしても予定がハッキリしない場合は電話などで事前連絡を
「出席したい気持ちがあるが、他の用事とのかねあいで出席できるかどうか今のところ予定がハッキリしない」という場合は、
新郎新婦に早めに電話などで連絡を取り、出席したい気持ちはあるが出席できるかどうかわからないことと、いつごろ予定がハッキリするかという点を伝えておくようにしましょう。
ただし、こうした事前連絡をしたからといって「返事が遅くなることは連絡したんだから、返信期日をすぎてからの返事でもOK」と考えてはいけません。
たとえば返信期日を過ぎてから欠席の返事をした場合、新郎新婦はもう引き出物などを用意していて、それがキャンセルとなって経済的にも痛手をこうむってしまうリスクが出てきます。
そうした新郎新婦側のリスクを考えると、返信期日ギリギリになっても予定がハッキリしない場合などは、欠席の決断をしたほうが無難です。
結婚式に欠席する場合の返信のタイミング
結婚式に欠席する場合の返信のタイミングは、招待状が届いてから1週間後ぐらいに出すのがおすすめです。
出席の場合は、できるだけ早く返信するというのが好ましいですが、欠席の連絡をあまりにも早くしてしまうと、新郎新婦側に、出席できるかどうか考えることすらしてくれなかったのかと思われてしまう可能性もあります。
ある程度の期間、出席できる手立てがないかについても考えたうえで、やむを得ず欠席となったという印象を与えるためにも、欠席の返信は「早すぎず遅すぎず」が基本マナーとなります。
結婚式招待状の返信はがきに使うべき筆記用具は毛筆か筆ペン
結婚式招待状の返信はがきに返信を書く際に使う筆記用具として好ましいのは、
- 毛筆◎
- 筆ペン◎
- 万年筆○
の3種類です。
これらが好ましいといわれる理由は、「慶び事は太く濃く」という縁起かつぎの意味があるからです。毛筆や筆ペンなら太く濃い字が書けますし、万年筆もハッキリとした字、筆圧による太さのメリハリがある字が書けるということで評価されています。
これらの「黒色」の筆記用具が自宅にあるなら、結婚式招待状の返信はぜひそれを使って書きましょう。
ただ「家に毛筆も筆ペンも万年筆もない」というケースが多いのも事実です。
その場合は、使い慣れた黒色のペンやボールペンを使用するというのも可です。ただし鉛筆やシャープペンシルなど、字が薄いうえに簡単に字が消せてしまうものは不可です。
筆記用具の字の色は「黒」を選ぶこと
結婚式招待状の返信を書く際に好ましい筆記用具は毛筆・筆ペン・万年筆で、それらがない場合は使い慣れたペンやボールペンを使うのも可ですが、どの筆記用具を使うにせよ、字の「色」には気をつけないといけません。
返信の字の色は「黒」が最大の基本です。黒がない場合は濃紺でもかまいませんが、カラフルな色やグレーはNGとなります。
カラフルな色はめでたい雰囲気を出せると思われるかもしれませんが、字の色が濃くないため「慶び事は太く濃く」の縁起かつぎができないという理由もありますので、使うべきではありません。
そしてグレーの字は、香典袋などに使われるため「不祝儀を連想させる色」としてNG扱いとなります。特に「家に筆ペンがあるのでこれで返信を書こう」となった場合、その「家にある筆ペン」が不祝儀用のグレーであるケースは少なくありませんので注意が必要です。
結婚式招待状の返信はがきの表面、裏面それぞれの書き方は?
結婚式招待状の返信はがきの表面、裏面それぞれの書き方についてご説明しましょう。
返信はがきの表面の書き方
結婚式招待状の返信はがきの表面には宛名書きがありますが、この宛名書きに書かれている新郎新婦の名の下にある「○○行」の「行」の字を斜め二重線で消して、「○○様」に書き直します。
宛名書きが縦書きの場合「行」の字の左横に「様」の字を書き、宛名書きが横書きの場合は「行」の字の下に「様」の字を書きます。
また「様」の字は新郎新婦に対する敬称となるため、宛名書きよりも少し大きめの字で書くのがおすすめです。
返信はがきの裏面の書き方
結婚式招待状の返信はがきの裏面には出欠の返事や住所氏名などを書くこととなりますが、その書き方の基本マナーは、以下のとおりとなります。
- 出席する場合「御出席」の御の字を二重線で消して出席を○で囲み、「御欠席」はすべての字を二重線で消す
- 「御住所」の御の字と「御芳名」の御芳の字を二重線で消し、住所氏名を記入する。
- 新郎新婦へのメッセージを書く。
【 出席の場合 】
【 欠席の場合 】
ちなみに、御などの字を二重線で消すのではなく、おめでたい字である「寿」を消したい字の上に書くというやり方でもOKです。
ただし、このやり方は少々格式高いイメージがともなうので、一流ホテルでのウェディングなど、結婚式自体にそれなりの格が感じられるケースに使うことをおすすめします。
逆に親しい友人とのカジュアルな結婚式などに対しては、二重線や寿のかわりにかわいいイラストやシールで消したい字を消す、というやり方もあります。
また、新郎新婦へのメッセージとしてよく使われる手段は「出席」に○をしたその下に「させていただきます」と続けるものですが、この方法は「出席に〇をするだけのやり方よりはいい」という程度のやり方であって、ベストのやり方ではありません。
「出席」という言葉から続けて一言だけ書くよりも、簡単なものでもいいので、すべて自分の言葉でメッセージを書くほうが印象は良くなります。
結婚式は「人生の大切なセレモニー」であるという気持ちをもって誠実な対応を
結婚式の招待状をいただいた場合、出席の場合は数日以内に、欠席の場合は1週間後ぐらいに返信をするのがおすすめです。
返信を書く筆記用具は黒の毛筆か筆ペンあるいは万年筆が好ましいですが、それらがなければ黒のペンやボールペンを使うというのも可です。
返信はがきは表面・裏面ともに書き方のマナーがあるのでそれを知っておくことももちろん大切ですが、一番大切なのは「新郎新婦にとってとても大切な人生のセレモニーだから」という点を理解し、返信の際に心からのお祝いの気持ちをこめるという誠実な対応をすることです。
できるだけ丁寧な字で、そしてたとえ短くてもいいので、自分の気持ちをこめたメッセージを添えて返信するようにしましょう。