結婚式やホテルの式典に招待された際、指定されることの多いドレスコードに「セミフォーマル」があります。
ところで「セミフォーマル」とは、具体的にどんな服装やコーディネートでしょうか。
「かしこまった服装」とは分かっていても「パンツスタイルはOKなのか?」、「スカート丈の長さはどれくらいが適切?」など気になる点は多いでしょう。
そこで今回は、シチュエーション別のセミフォーマルについてご紹介しましょう。
セミフォーマル(準礼装)の意味
「セミフォーマル」は、結婚式や入学式、会社の式典、ホテルでのパーティーなどのドレスコードに指定されることが多いです。
そもそも「ドレスコード」とは、その場や時間、状況に相応しい服装のことをいいます。
「ドレスコード」には式の格によって、以下の3つに分かれます。
①正礼装(モストフォーマル)
②準礼装(セミフォーマル)
③略礼装(インフォーマル)
上記のドレスコードは全てフォーマルな服装であり、私達が日常着ている服装よりも格式が上になります。
今回着目する「セミフォーマル(準礼装)」は、上記の表記を見て分かるように「モストフォーマル(正礼装)」と「インフォーマル(略礼装)」の間に位置しています。
セミフォーマルはドレスコードの中でも最も着る機会の多い礼装です。
セミフォーマル(準礼装)は、結婚式や入学式などあらたまったシチュエーションで着用されます。
格式の違いと、具体的なシーンとは?
それぞれの格式がどのように違うかというと、まずモストフォーマル(正礼装)は、その名前の通りもっとも格式が高いと言われています。
例えば、皇族の方々が式典に出席される際に着用する服装は正礼装です。
そのほかにも、結婚式を行った際に新郎新婦の両親が着用する正装や、晩餐会のような式典にお呼ばれした際の服装が正礼装にあたります。
それに対して準礼装であるセミフォーマルは、いわゆるパーティードレスをはじめとした、「ちょっとしたおめかし」を指します。
もっとも身近な例で言えば、やはり結婚式です。
新郎新婦の両親という立場でなく、友人や親族のひとりとして出席する場合にはセミフォーマルに身を包みましょう。
そのほかにも、子供の入学式や卒業式といった、形式を重んじる式典に参加するときにもセミフォーマルが適しています。
続いて、略礼装(インフォーマル)は、セミフォーマルを着用するシーンよりも、さらにカジュアルなシーンで着用されます。
よりラフな印象のパーティードレスや、ワンピース類がこちらに該当します。
近年では、結婚式でも形式ばった雰囲気を避けて、パーティー形式の結婚式を挙げる人も増えています。
そうしたカジュアルなパーティーや、同窓会などのイベント、結婚式でも二次会や三次会であればこうした服装で構わないでしょう。
格式あるレストランでの食事会のように、あくまで日常の延長線上にあるイベントで利用されます。
さらにカジュアルな服装として「カジュアルエレガンス」や「スマートカジュアル」といったスタイルもあります。
これらはフォーマルよりもさらにカジュアルダウンした服装であり、きちんと感を必要とするビジネスシーンやデートといった日常的なシーンで利用されます。
セミフォーマルに分類されるドレスの種類と時間帯の関係性
一般的に、セミフォーマルに分類されるドレスには以下の3種類があります。
- セミアフタヌーンドレス
- セレモニースーツ
- カクテルドレス
これらの服装のうち、どれが適切なのか判断する上では「参加するイベントが何なのか」、そして「参加する時間帯は何時ごろなのか」を参考にしましょう。
のちほどさらない詳しく説明しますが、例えば昼の結婚式で着用するのなら、セミアフタヌーンドレスが適切です。
それに対してセレモニースーツは、主に入学式などの式典で着用します。
そしてカクテルドレスは、夜のパーティーや食事会などで着用されるドレスです。
結婚式に参列するときにも、ナイトウエディングであればカクテルドレスを検討してもよいでしょう。
ただし、あまりに派手すぎたり露出の多いドレスは不向きですので気をつけましょう。
セミアフタヌーンドレスとは
セミアフタヌーンドレスは上質でドレッシーな清楚なデザインのドレスです。
おもに結婚式のお呼ばれや、結婚式二次会、パーティーで着用します。
セミアフタヌーンドレスは、無地の上質素材、落ち着いた色味が基本で、派手さやきらびやかさは抑えた上品な服装となります。
具体的にはスカート丈は膝下、袖の長さは長く、肌面積の露出を抑えた上品なドレスが一般的です。
派手さを抑えた無地のドレスの方が格式が高く、お祝いの場に適しています。
しかし昼間の披露宴や式典では、肩や腕が見えるのはカジュアルな印象になるためマナー違反とされています。
ノースリーブのセミアフタヌーンドレスを着用するのであれば、お肌の露出を抑えるためにショールやストールなどの羽織物を用意しましょう。
セレモニースーツとは
セレモニースーツとは、儀式や式典の際に着用するセミフォーマルな衣装です。
特に「子供の入学式」、「卒業式」、「学校説明会」、「受験の面接」といった家族の大切な行事やイベントで着用するケースが多い傾向にあります。
子供のお宮参りや七五三でも、ワンピースではなくセレモニースーツを選ぶ人はめずらしくありません。
ビジネススーツとの違いとして、きちんと感を残しながらより華やかなデザインのものが多いことが挙げられます。
もちろんスーツのため上品で清楚な雰囲気であるという点は変わらず、お受験のような大事なシーンにも向いています。
一方でほかのセミフォーマルスタイルに比べると、シーンによっては落ち着いて見えすぎてしまう可能性もあります。
結婚式のように「地味なスタイルでは悪目立ちしてしまうかも?」と思われるシーンでは、ドレスを検討してもよいでしょう。
カクテルドレスとは
カクテルドレスとは、もともとはその名前の通りカクテルパーティーなどで着用されていたドレスのことです。
スーツとは違いドレスタイプのセミフォーマルであることから、タイプとしてはセミアフタヌーンドレスに近いように感じられるかもしれません。
しかし、セミアフタヌーンドレスに比べると夜に似合う大人っぽいデザインであることが特徴です。
実際に「イブニングドレス」と呼ばれる夜に行われるパーティーのためのドレスと、アフタヌーンドレスとの中間に位置するドレスと考えてよいでしょう。
素材に光沢があったり、スカート丈がやや短めであったりとより華やかな雰囲気のカクテルドレスも少なくありません。
「参列する結婚式が夜の時間帯に行われるので、カクテルドレスを着用したい」と考えるのであれば、デザイン豊富なカクテルドレスの中から比較的清楚で落ち着いたデザインのものを選びましょう。
あまりに露出の多いデザインや、派手すぎるものは結婚式では避けるのが無難です。
セミフォーマルに適した色は?
セミフォーマルの服装は基本的に同色無地のドレスが基本です。
同色でレースが施されている上品なデザイン、同色で織りで柄が入っているものが最適です。
同色無地は格式が上になりますので、プリント柄のワンピや生地と違う色の刺繍は避けましょう。
高級ブランドのドレス・ワンピースであっても、柄物やプリント柄の服装はNGです。
色味は派手な原色よりも黒やネイビー、ダークグリーンなど、落ち着いた色味が好印象です。
特に親族が来られる結婚式の披露宴、格式高いパーティーの場合は、肌の露出を極力抑えたデザインを選びましょう。
羽織物も同色同素材を選ぶと全体のコーディネートが上品にまとまります。
セミフォーマルに向いていない服装とは?
セミフォーマルと一言で言っても、そのほかの服装との区別がつきにくいのではないでしょうか。
中には「セミフォーマルとしてはNG!」という服装もあるため、どのような服装がNGにあたるのか覚えておきましょう。
足元はストッキングを履いてパンプスを合わせる
女性のセミフォーマルのポイントとして、足元にはパンプスをあわせるのが基本です。
たとえパンツスタイルであっても、ブーツやスニーカーといったカジュアルな靴をあわせてはいけません。
また、ミュールのようにつま先やかかとが露出している靴も避けて、きちんと覆い隠せるパンプスを選んでください。
さらに、必ずストッキングをあわせて素足にならないように注意しましょう。
ストッキングは自分の肌に馴染む色を選び、弔時を思わせる黒は避けたほうが無難です。
「傷を隠したい」などどうしても暗めの色を選びたいのであれば、ラメ入りや柄入りのストッキングなどできるだけ華やかな者を選びましょう。
結婚式には「白いドレス」を避けて
これは結婚式に参列するときに意識すべき共通のマナーですが、白いドレスは避けてください。
白いドレスの着用は、花嫁さんだけに許される特権です。
そのためゲストは白色のドレスを着用しないよう注意しなければいけません。
このマナーは昼の結婚式、夜の結婚式どちらにも共通していますので、十分注意しましょう。
リクルートスーツやビジネススーツはNG
リクルートスーツやビジネススーツは地味過ぎて華やかさに欠けるため、フォーマルな場には相応しくありません。
ビジネス用スーツは仕事中に着る服装であり、お祝いの席に作られた服装ではありません。
セミフォーマルのパーティーやお子様の卒入学式には控えたほうが良いでしょう。
シチュエーション別のセミフォーマル
セミフォーマルを着るシーンは結婚式、入学、卒業式、式典、祝賀会など、様々な場面があります。
セミフォーマルに最適なコーディネートを毎回用意するのはコストがかかってしまうのがネック…。
そんな時は、オンラインでのレンタルがおすすめです。
「ワンピの魔法」は結婚式、パーティーなどシチュエーションや年齢別に最適なドレスを検索し、レンタルできるオンラインドレスレンタルサイトです。
どんなシーンのセミフォーマルでもレンタルドレスならば、豊富なドレスから選べるのが嬉しいポイント。
ここからは、シチュエーション別に「ワンピの魔法」からおすすめのセミフォーマルの服装、コーディネートをご紹介しましょう。
結婚式でのセミフォーマル
結婚式の招待状に「セミフォーマル(準礼装)」の指定がある場合は、「セミアフタヌーンドレス」です。
セミフォーマルでは派手さは抑え、あくまでも参列者として新郎新婦を引き立てる役目があります。
上質な素材のドレスを選ぶことが大切で、テロテロのナイロン素材でできたドレスやワンピースはセミフォーマルに相応しくありません。
シルクのような艷やかで上品な光沢がある素材、品の良いコーディネートを意識しましょう。
ドレスは袖があってスカート丈は膝下が理想的ですが、ノースリーブの場合は羽織物をお忘れなく。
アクセサリーは白パールが相応しく、ダイヤや光に反射するキラびやかなアクセサリーはNGです。
トレンドや華やかさよりも全体を上品なイメージになるようなコーディネートをしましょう。
レースの透け感とスタンドカラーがセミフォーマルや上品な装いを感じるクール系の黒ドレス。 | 袖のレースは透け感があり、丈が長め、光沢のある上質な生地、清潔感があるネイビーのドレス。 |
落ち着いたレッドカラー、左右のスリットと付属のリボンがスタイルアップして見せてくれます。 | 襟元からスカート裾まで覗くグレーのラインが縦のラインを強調し、すらりと見せてくれる。 |
入学式・卒業後のセミフォーマル
セミフォーマルは入学式や卒業後、謝恩会など、学校の式典にも指定されるドレスコードです。
お子様の入学式・卒業後のセミフォーマルではワンピース、アンサンブル、ツーピース、スーツなどが一般的です。
派手さや華やかさを抑えて、きちんと感のある上品なコーディネートであれば問題ありません。
パンツスタイルの場合は、地味になりすぎずにお祝いの席に適したコーディネートを心がけましょう。
上品な生地とライトベージュのジャケット、ふんわりと広がるスカートが控えめで上品なセレモニーセット。 | 柔らかい生地のピンクベージュワンピとネイビーのジャケットのセレモニースーツセット。 |
ワンピースは七分袖、ジャケットの縁取りがネイビーで全体が引き締まって見えるデザイン。 | ツイードよりも着心地が軽くシワにもなりにくいので、お子様行事から会社行事まで幅広いシーンに。 |
会社の式典でのセミフォーマル
会社の式典や祝賀会では、会社の社風や会場の格式を意識したコーディネートをします。
セミフォーマルではシルクや高級ポリエステル素材など上品な素材を選ぶことが大切です。
シャンタン素材やウールジョーゼット、ファンシーツイードなどの落ち着いた生地も適しています。
服装選びに迷ったときは、過去に行われた会社の式典の様子が分かる写真や映像を参考にするとイメージが湧きやすいでしょう。
淡いグリーンとグレーを合わせた色味の総レースとAラインのシルエットが清潔感を演出してくれます。 | 薄手のジャケットと上品な光沢があるワンピースのセレモニースーツセットは適度なフォーマル感。 |
落ち着いた光沢のある深いグリーンは一枚で着ても二の腕が隠れ、ゆったりシルエットがポイント。 | 肘まで隠れるレースの袖と、長めのパンツ丈は露出をしっかりと抑えてくれ、1枚で着ても安心。 |
ホテルでのセミフォーマル
ホテルでのパーティやディナーショー、謝恩会などでのセミフォーマルは昼と夜とで異なります。
昼間のパーティーの場合は、肌の露出を控え、清楚で上品なコーディネートにまとめます。
あまりきらびやかなドレスは避けて、光沢があっても控えめなドレスや上質な素材のドレスを選ぶようにしてください。
一方で、夕方や夜に開催されるディナーショーやパーティーの場合は適度な肌見せも良しとされます。
ノースリーブや膝上スカートのドレスでも、上品な華やかさがあればOKです。
三層に重なる生地が重なったミントグリーンのドレスは上品な刺繍デザインがパーティや謝恩会に最適です。 | レース・プリーツなど女性らしい柔らかな雰囲気がある光沢控えめのワインレッドのドレス。 |
トップスに黒のレースの重なったピンクグレーのドレスはウエストにゴムなので楽な着心地が嬉しい。 | 肩から袖にかけてのレース素材やビスチェ風のデザインなど、トレンド感たっぷりの黒のドレス。 |
セミフォーマルの小物の選び方
セミフォーマルのコーディネートは清楚で上品なデザインが基本です。
柄物はカジュアルな印象になるので無地を選び、サテン生地やシルキーな素材が最適と言えます。
ここからは、セミフォーマルのコーディネートに合わせる靴とパーティーバッグ、身だしなみについて見ていきましょう。
バッグや靴の選び方
セミフォーマルに合わせる小物も、ドレスと同様に派手さを抑えた上品なバッグや靴が適しています。
黒やネイビーなどダーク系カラーの服装を選んだ場合は、淡いベージュやシルバーなどの靴・バッグがおすすめ。
結婚式・披露宴では、光沢がありすぎない、光沢は控えめなパーティーバッグや靴を選びましょう。
ビジューやスパンコールがキラキラと光り過ぎるパーティーバッグは、昼間の披露宴にはふさわしくありませんので要注意。
結婚式・披露宴では集合写真の披露宴があるため、ビジューがライトに反射してしまうためNGです。
結婚式・披露宴では集合写真の披露宴があるため、ライトに反射してしまう可能性のある素材のついたバッグはNGです。
やや小ぶりで丸みのあるデザインが甘めで可愛らしく、シンプルだがパーティーらしい。 | ゆるいVのパールとラインストーンのデザインは上品で大人っぽい。 |
シルバーのビーズは、控えめだが上品で華やかさがあり、コーディネートのワンポイントになる。 | 上品な印象のベージュのバッグ。スクエア型のバッグはコーデのポイントになる。 |
アクセサリーの選び方
フォーマルなシーンでのアクセサリー選びは白いパールが好まれます。
白パールのアクセサリーは光りすぎずに上品な印象を与え、どんな会場でもマッチする万能アイテムです。
白パールのネックレス、ピアス・イヤリングは結婚式・披露宴、パーティー、入学式、卒業式、会社の式典など、どんなシーンでも使えます。
また、年齢に関わらずどんな方も似合うので、セットで持ってると、長年に渡り重宝するでしょう。
シンプルなデザインの、白パールのネックレスは世代を問わず使える使える優れもの。 | サイドについたビジューのチャームがポイントのパールのネックレスは、やや長めの丈なので、ハイネックのドレスにも合わせやすいのが魅力。 |
パールの他には、輝きを抑えた上品なアクセサリーはフォーマルシーンに相応しいです。
昼間の結婚式・披露宴、入学式、卒業式、会社の式典では派手さよりも「きちんと感」を意識します。
シンプルな一連のネックレスは結婚式のお呼ばれにぴったり。 | 華奢なゴールドのチェーンは、女性らしくおしゃれ感が増して見える。 |
中央のビジューがキラキラと光り、シンプルながらも華やかさがある。 | シンプルなドレスのポイントになる上品なネックレスを付けたい方におすすめ。 |
ヘアアクセサリーやヘアメイクの選び方
結婚式やお子様の卒入学式、会社の祝賀会などで着る機会が多いセミフォーマルの服装は、上質かつドレッシーな素材のドレスに合うように、ヘアメイクやネイルも上品にまとめましょう。
結婚式・披露宴、パーティーでは、食事をする際に髪が邪魔にならないようなまとめ髪が適しています。
下を向いた時に前髪やサイドの髪が落ちてこないように、ヘアアクセサリーを使うのもおすすめです。
ただし、ヘアアクセサリーもあまり反射してしまう素材のものは避けましょう。
フラワーモチーフに小粒のパールが散りばめられたバレッタは、クリーム色の柔らかい色合いとお花のデザインが上品。 | 色や粒の大きさの異なるゴールドのパールを中心に、個性的なグリーンのパールを差し色にしたミニコーム。 |
まとめ
セミフォーマルの服装は清楚で上品、華やかで上質な服装を心がけてコーディネートしましょう。
昼間の披露宴の場合は、肌の露出は控えて、肩出しせず、スカート丈はひざ丈よりも下が基本です。
アクセサリーやバッグなどの小物にも十分気を配って、好印象なセミフォーマルスタイルを実現しましょう。